ビルドの数式にはどんな意味があるのか。
仮面ライダービルドは天才物理学者の桐生戦兎が変身するため、いたるところに物理学で使われる数式が出てきます。
でも、何の式か全然わからないですよね。
戦兎の黒板にはいつも難しげな数式が並んでいます。
あれは本物の物理学者・白石直人さん監修のもとで書かれているそうです。
今日は、私が理解できるものを(少ないですが)、式が何を意味しているのか、簡単に説明したいと思います。
オープニングでスカイウォールを突き破っている式の正体
OPの最後にビルドがタワーの上から東都の町を見下ろしているカットがあります。
最後の「制作 tv asahi」って出るところです。
(思い出せない方は東映特撮Youtubeでビルドの1・2話が公開されているので見てみてください!)
そこで以下のような大きな数式がスカイウォールを突き破っています。
これはボルツマンの関係式と言います。
まず、部屋の中にたくさんの粒子がある状況を想像してみてください。
Sはエントロピーというもので系(部屋)の乱雑さを表します。
つまり、Sが大きいほど部屋の中の粒子はバラバラだと思ってください。
Wは状態数を表しています。
状態の数、つまりその部屋の中で粒子が散らばっている散らばり方がいくつあるかということです。
簡単に言うと、この式は部屋が散らかっているほど、その散らばり方の数も多くなるということを示しています。
東都・北都・西都の3つに分かれ混沌を極めているビルドの話には、乱雑さを表すエントロピーSがベストマッチしたということでしょう。(は?)
オクトパスライトの必殺技には電磁気の基礎が使われていた!
第13話「ベールを脱ぐのは誰?」でのスタークとの対決で活躍したオクトパスライトフォーム。
必殺技のボルテックフィニッシュでは墨をかけてタコ足で縛ったあと発光するというものですが、このときに以下のような式が現れます。
これは4つまとめてマクスウェル方程式と言って、電磁気学の基礎中の基礎の式です。
電磁気学を学ぶ人はまずここから始めます。電磁気の性質がこの4つの式で記述できます。
まず一番上の式を見てみます。
電流が流れると、そこに電場という場ができるというのは習ったことがあるかもしれません。
Eはその電場というものです。
ρは電荷密度で、その場所に電荷という電流のもとみたいなものがどのくらい詰まっているかを表す量です。
そして左についてる逆三角はなんぞやと思うかもしれませんが、これは∇(ナブラ)と言います。
∇・Eでその場所から電場がどのくらい出ていくかを計算することができます。
つまりこの式からは、「ある領域に電荷があればあるほど、電場がいっぱい出ていく」ということが言えます。
では次に、上から3番目の式を見てみてください。
Bというのは磁場と言って、磁石などに影響を及ぼします。
そしてこの式には∇・B、つまり磁場の発散=0と書かれています。
電場を出すもとである電荷のように、磁場を出すもととなる磁荷というものは存在しないということです。
では磁場はどこから発生するのでしょうか。
実は磁場というのは電場の周りに発生します。
このことは他の式に書かれています。
以上のような電場や磁場の基礎となるようなことが示されているのがマクスウェル方程式です。
電気を当てて攻撃するオクトパスライトもこの4つの式を応用させて必殺技を繰り出したのでしょう。
オープニングで戦兎が書いている式は何?
またまたオープニングですが、最初の方で(「このまま~♪」らへん)戦兎が黒板に何かの数式を書いています。(そのあとすぐに黒板を消しますが)
これです。
これは正準方程式と言います。
これの書き方を変えたものです。
qは一般化座標、pは一般化運動量、Hはハミルトニアンと言います。
ハミルトニアンというのはエネルギーのようなものです。
この式は物質の運動が位置と運動量で表せていて、2つの式には対称性があります。
とにかく、物質の運動を計算するための式と言うことです!
戦兎は何かの運動を考えていたのでしょうか。
有名な公式からマニアックなものまで
今日紹介したものはどれも物理学においては有名なものばかりです。
式が何を表しているのかが分かると、ビルドをさらに深く楽しむことができそうです。
他に分からないものがたくさんあったのでもっと勉強を頑張らなければ、、、。
好評でしたら、他の式についても書いてみたいと思います!
また、間違いがございましたら申し訳ございません。
お読みいただき、ありがとうございました!